医療機関では、医療用機器への投資額が高額になる場合があります。このような高額な医療用機器の設備投資について、一定の税額軽減の制度が設けられています。この制度について、令和7年度税制改正で対象となる品目が見直されました。確認しましょう。
高額な医療用機器等の特別償却とは、次のすべての要件に該当した場合に、通常の減価償却費の他、取得価額の12%の特別償却費を損金(必要経費)に算入できる制度をいいます(措法12の2、45の2)。
- 青色申告書を提出する法人又は個人であること
- 医療保健業を営んでいること
- 令和9年(2027年)3月31日までの間に、一定の医療用の機械及び装置並びに器具及び備品を取得して医療保健業の用に供すること
この場合の「一定の医療用の機械及び装置並びに器具及び備品」とは、一台又は一基の取得価額が500万円以上である新品の医療用の機械及び装置並びに器具及び備品で、次のいずれかに掲げるものをいいます(措令6の4、28の10)。
- @高度な医療の提供に資するものとして厚生労働大臣が財務大臣と協議して指定するもの
- A医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に規定する、高度管理医療機器、管理医療機器、一般医療機器で、これらの規定により厚生労働大臣が指定した日の翌日から2年を経過していないもの(上記@に該当するものを除く)
令和7年度税制改正に伴い、上記@について令和7年(2025年)3月31日に告示されました。
これによると、令和7年3月31日まで指定されていた品目のうち、以下6品目が削除されています。新規追加はありません。
- 四十四 内視鏡ビデオ画像システム
- 六十六 超音波軟性十二指腸鏡
- 二 歯科用オプション追加型ユニット
- 二十三 据置型アナログ式乳房用X線診断装置
- 四十 レーザー処置用能動器具
- 七十 気管支サーモプラスティ用カテーテルシステム
なお、上記Aについては、医療機器メーカーに直接確認されるとよいでしょう。
特別償却は、投資をしたことにより早期に費用化できる(=投資減税の)恩恵を受ける制度です。
医療用機器の高額投資を行う際には、こういった制度が利用できるか確認しましょう。
[参考]
官報「租税特別措置法第十二条の二第一項及び第四十五条の二第一項の規定の適用を受ける機械及び装置並びに器具及び備品を指定する件の一部を改正する件(同一三五)」
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